【ハロー!メッセージ】 「認知症介護フォーラム2015」に参加して

  Yahoo%21%20Full%20Life%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%80%8C%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%83%BC%EF%BC%81%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F%E3%80%8D.jpg

  平成28年3月24日(木)、公益社団法人 全国老人福祉施設協議会主催の

「認知症介護フォーラム2015」が東京品川で開催されました。

今回のテーマは「 “日本式KAIGO”が担う認知症ケアの未来 」。

 

今や世界一の長寿国であり、超高齢化社会を迎えた日本ですが、

2025年に高齢者人口はピークを迎え、認知症患者も現在の約500万人から

約700万人になると推計されています。

また、要介護認定者も600万人を超えています。

もはや、家族だけだは抱えきれない認知症介護問題。

今回のフォーラムでは、

①国全体で「認知症患者を理解」する。

②認知症患者ご本人や、介護をしているご家庭を

「孤立させないよう地域で取り組む」。

③認知症患者ご本人の「意思を尊重」する。

④特別養護老人ホームでの「先進的な介護」。

以上の4点がテーマとなっていました。

ひとつずつ以下にまとめていきます。

 

①国全体で「認知症患者を理解」する。

はじめに、認知症には「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」が

あると思ってください。

「中核症状」とは、

・記憶障がい

・失語

・失行

・失認

・実行機能障がいなど、

認知症になると、少なくともひとつは必ずある症状のことを 言います。

 

そして、それを包むように周辺症状(BPSD)があります。

「周辺症状(BPSD)」とは、

心理に関する症状(不安・興奮・焦燥・妄想・幻覚・無気力)と、

行動に関する症状(徘徊・暴言・暴力・介護への 抵抗・過食・拒食・不眠)に

分かれますが、いずれも 面談や観察によって明らかになるものです。

 

認知症ケアが大変なのは、これら周辺症状(BPSD)に加えて、

生活障がいも発生するためです。

生活障がいとは、いわゆるADL(食事・排泄・入浴・更衣・ 整容・歩行)など

日常生活動作が困難になることです。

 

このように、認知症を理解するには、1つ1つの症状を「点」で

考えるのではなく、「面」としてとらえることが必要になります。

 

もうひとつ、認知症の初期症状の代表例についても紹介 されていたので、

早期発見のために参考にしてみてください。

○片手で食事をする(右脳と左脳がつながらなくなる)

○服の着方・脱ぎ方がわからなくなる

○布団をきちんと敷けない・寝る方向がわからない

○ドアが開けられない(ドアノブを回す、回転させることが できなくなる)

○便座と自分の位置関係がわからなくなる

○歯磨きの方法がわからなくなる

 

②認知症患者ご本人や、介護をしているご家庭を「孤立させないよう 地域で取り組む」。

「私はぼけないから大丈夫」

「うちの親はしっかりしているから絶対にぼけない」・・・。

このように言う方がいますが、認知症という病気は 誰にでも起こりうる

「国民病」と言っても過言ではありません。

それだけに、地域での認知症介護への取り組みは重要です。

 

さて、地域での取り組みはさまざまですが、最大テーマは、

「認知症や介護に対する必要情報の提供および共有」で 共通しています。

具体的には、医師・介護士・ヘルパーさんなどによる学習会、

認知症・介護予防教室の実施、学校教育の一環として、 高齢者とのふれあいによる、

認知症への理解や、介護用具の 使い方の学習などが挙げられます。

孤立を招かないようにするには、たとえ認知症や要介護に なったとしても、

ひとりで抱え込まないで、良いことも悪いことも 情報開示して、

地域で共有することが大切です。

 

③認知症患者ご本人の「意思を尊重」する。

④特別養護老人ホームでの「先進的な介護」。

 

近年、先進国では、認知症などで判断能力が不十分であっても、

「本人の意思を尊重しましょう」という考えが主流となっています。

今までは「認知症」と聞くと、悲観的で介護する側もされる側も

辛い状況に置かれるイメージがありました。

もちろん、介護は決して楽なものではありません。

しかし、このフォーラムに参加して、現在の介護は、施設毎に

様々な知恵を絞って認知症患者の方と向き合っている ことがわかりました。

以下に、興味深かった方法についてご紹介します。

 

○「回想法」

これは、かつて経験したことや、過去の出来事を思い出すことで、

脳の活性化、精神状態の安定、明日への活力を生みだそうと いうものです。

具体的には、クラス会・同窓会・若い頃の写真を見せたり、 懐かしい音楽や匂いなど

五感で覚えていることをきっかけにします。

 

○「タクティールケア」

スウェーデン発の方法です。 ツボや筋肉の刺激ではなく、

手をふれあうなど、 優しい接触を継続的に行なうことで、

相手の不安感情を抑制しよう というものです。

 

○「バリデーション」

認知症の人の経験や感情を会話の中で共有・共感し、

力づけることによって、失望感や不安感を緩和しようというものです。

 

認知症は家族の顔や名前、自分自身のことも分からくなってしまう

大変辛い病気ですが、今回このフォーラムに参加して、 施設の取り組みや

家族のサポート、地域の連携により、 患者ご本人の残存能力を引き出し、

その人らしさを失わない 生き方を実践することが大切だと学ぶことができました。

 

(執筆)一般社団法人 任意後見サポートクラブⓇ

事務局長 秋元美香利

 

(監修)一般社団法人 任意後見サポートクラブⓇ

理事長 佐々和亮

http://www.nin-sapo.or.jp

 

(参考資料)

認知症介護フォーラム2015 / 要覧

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会

http://www.roushikyo.or.jp