「2025年」のリアルとは? 第3回 / 介護

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介護の現状と2025年

現在、日本の要介護(要支援)認定者数は、およそ620万人で、

高齢者の約19%を占めています。

今後の高齢化に伴い、その数は増加し、2025年には800万人を超えると

推計されています。

介護給付費も現在の10兆円超から20兆円に膨れ上がるのではないかと

懸念されています。

このような推計から、「介護」も「認知症」と同じく2025年の大きな課題と言えます。

 

介護の課題とは

介護の課題は、要介護者の日常生活に支障が出ることから、

要介護者の身の回りの世話をするご家族や介護士さん、

ヘルパーさんが必要になることです。

第2回の「認知症」でもお伝えしましたが、ご家族の介護のために離職する人は、

毎年10万人にも達しています。

また、介護にかかる年数が、平均5年となっていることから、介護される人も介護する人も

同じように精神的な負担がかかってくることも課題と言えます。

 

しかし、何と言っても大きな課題は「お金」です。

要介護になると、在宅か施設利用かによって多少の差はありますが、

公的介護保険の範囲外費用として、

初期費用に平均270万円、毎月の費用に平均18万円というお金が必要となってきます。

仮に、介護にかかる平均年数5年で試算してみますと、

270万円+(18万円×60ヶ月)=1,350万円となり、

かなり高額な出費を覚悟しなくてはなりません。

 

要介護になった原因とは

では、そもそもどのような原因で要介護(要支援)になったのでしょうか。

40歳以上の人が介護給付を受けることになった原因の上位5つは、以下の通りです。

第1位 / 脳卒中(全体の19%) (血管が詰まる脳梗塞、一過性脳虚血 / 血管が破れる脳出血、くも膜下出血など)

第2位 / 認知症(16%) (アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管性など)

第3位 / 高齢による衰弱(14%) (筋力の低下、活動量の減少、慢性疲労、体重減少など)

第4位 / 骨折や転倒(12%) (うで、手首、大腿骨頚部骨折など)

第5位 / 関節疾患(11%) (関節リウマチ、頸椎症、四十肩・五十肩、痛風など)

このデータから、要介護(要支援)になる原因の70%が上記の5つによるものだと

いうことがわかります。

介護や支援を必要とせず暮らすためには、これらの状態を招かないような生活を

実践することが大切です。

 

介護予防ベスト3

1、生活習慣病(脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、がん等)になりにくい食材や調理法を選び、

食生活を改善する。

2、ウォーキングやラジオ体操などを日課に取り入れて、筋力の低下を防ぎ、

運動不足を解消する。

3、日常生活において、自分のことは出来る限り自分でやる。

このことは、長期に渡って安静状態が続くことによりさまざまな心身機能の低下を招く

廃用症候群(生活不活発病)を防ぐために重要なことです。

何でもかんでも人に頼っていると、やる気がなくなったり、頭が回らなくなってしまい、

不定愁訴やうつ、閉じこもりの原因となるからです。

 

これからの介護とは

2025年に向かって、高齢期を迎える人たちは、要介護にならないように、

高齢期に入る前から健康についての知識を深めて、健康づくりに努め、

介護を必要としない、あるいは、介護を必要とする期間を出来る限り短くすることが肝要と言えます。

また、もし要介護(要支援)になっても、リハビリテーションを充実させ、自助(セルフケア)、

互助、そして、地方公共団体が推進する地域包括ケアシステムによる公助を

適切に組み合わせることによって、住み慣れた地域で健常者と同じような生活ができるように

努めることが大切だと思います。

このように、これからの介護は、まず介護にならないように予防すること、

そして、もし要介護(要支援)になっても、ノーマライゼーション*1の精神で、

自分の残存能力を最大限活かして、自分らしく生きることが重要と言えそうです。

 

*1ノーマライゼーション:病気や障がいのある人もない人も平等に暮らせる社会を実現すること。

 

(参考資料)

内閣府「高齢社会白書」

厚生労働省「国民生活基礎調査」「介護保険事業状況報告の概要」

総務省統計局「就業構造基本調査」

生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「認知症フォーラム2015」要覧

 

(執筆)

内閣府認証NPO法人 日本スマートライフ協会Ⓡ 理事長 佐々和亮