Q. 「成年後見」と「法定後見」と「任意後見」の違いを教えてください。
A.
「成年後見」は、2000年(平成12年)に施行された法律制度です。
「成年後見」は、「法定後見」と「任意後見」の2本柱で構成されています。
つまり、「法定後見」と「任意後見」を合わせて、「成年後見」と呼んでいます(図1)。
 
faqzu.png (図1)

A.
「法定後見」は、認知症等によって、判断能力が低下している方のための制度です。

A.
「任意後見」は、判断能力のある方が、将来、認知症等によって、自分の判断能力が低下したときにどうするかを、判断能力があるうちに予め決めておく制度です。
 
Q. 判断能力が低下する前に準備する「任意後見」って何ですか?
A.
任意とは
「自分の意思のままに」という意味です。
つまり、任意後見では、あなたの意思を最大限に尊重することが前提となります。

A.
後見とは
あなたを助ける代理人になったり、あなたに代わって法律行為を行ったりすることです。
つまり、任意後見では、「あなたを理解して、あなたの代わりにあなたのお世話をすること」と考えればよいでしょう。

A.
任意後見とは
あなたの判断能力が低下して、自分で自分のことが分からなくなったときのために、あなたがしてもらいたいことを、あなたが決めた人(任意後見受任者)に頼んでおく制度のことです。
 
Q. 「任意後見」をするための条件を教えてください。
A.
あなたに判断能力があることです。

A.
あなたの任意後見をしてくれる人(任意後見受任者)がいることです。

A.
あなたと任意後見受任者との間で,公正証書によって、任意後見契約書を作成することです。
 
Q. 「任意後見」の手続費用は、いくらですか?
A.
任意後見契約公正証書を作成するには、3万円程度かかります(公証人手数料、収入印紙代、郵便料金、用紙代など)。

A.
判断能力を失って任意後見が開始したら、
予め話合いで決めておいた報酬を、任意後見人に支払います。
一般的な報酬の目安は、月1万円~3万円程度のようです。
もちろん、ご家族が任意後見人なら無償もありですね。

A.
任意後見が開始すると、任意後見人には、「任意後見監督人」がつきます。
これは、任意後見人が不正行為を行わないように任意後見人を監督する人です。

A.
任意後見が開始すると、任意後見監督人への報酬も発生します。
この任意後見監督人への報酬は、家庭裁判所が無理のない金額を決めてくれます。
 
Q. 「任意後見」といっしょに考えた方がよい契約ってなんですか?
A.
判断能力を失わないまでも、「ちょっと判断能力が弱ってきたな」と思ったら、「見守り契約」によって、見守り(面談、メール、電話等によるコミュニケーション)をしてもらうことも大切です。

報酬は、毎月3000円~1万円程度のようです。

その他、「任意後見」に「生前事務委任契約」や「死後事務委任契約」などを組み合わせて、もしものときに備える方もいらっしゃいます。
組み合わせる契約によって報酬も変わりますので、ご自身にあった契約を見つけて利用しましょう。
 
Q. 最も効率的な任意後見の手順を教えてください。
A.
書面と任意後見受任者が決まったら、近くの公証役場に電話して、
「任意後見制度を利用したいので、相談に乗ってください」とお願いします(無料、ただし要予約)。

A.
予約の当日、二人で決めたことを書面にして(できれば、パソコン入力をしておく)、任意後見受任者とともに、公証人と面談をします。

A.
公証人のアドバイスに従って、手続を進めます。

*注意点
① 公証人により、あなたに判断能力がないと判断された場合には、任意後見制度を利用することができません。

② あなたが作成した書面(代理権目録)に不備があれば、必要に応じて、弁護士・行政書士・司法書士等の力を借りて書面を作成するよう、公証人からアドバイスを受けることもあります(士業の力を借りて書面(代理権目録)を作成する場合には、有料です)。

A.
このように、任意後見制度は、誰もが気軽に利用できるようにできています。
 
Q. 公証人ってどんな人ですか?
A.
公証人の使命と仕事

公証人は、市民の生活や財産などの権利を守り、中立・公正な立場で、
トラブルを未然に防ぐために活躍しています。

その主な点は、次のとおりです。

① 公正証書で契約書を作成して、大切な財産を守ります。

② 公正証書で遺言を作成して、大切な人に遺産を譲ります。

③ 公正証書で離婚協議書を作成して、婚姻関係を清算し、子の将来を守ります。

④ 定款認証をし、適法な会社を設立します。

⑤ 任意後見契約書を作成して、老後に安心を与えます。

⑥ 確定日付により、私書証書の存在した日を証明します。

(日本公証人連合会のホームページより抜粋)

A.
全国299か所の公証役場で、およそ486人の公証人が活躍しています。

(2015年5月1日現在)

A.
前職は、検事(検察官)・判事(裁判官)・弁護士の方々です。

A.
公証人は、一見とっつきにくいですが、胸襟を開いて本音で相談することです。
経験豊富な方々ですから、あなたの将来を相談するには、適任です。
ポイントは、嘘をつかないことです。

 
Q. 任意後見をひと言で言うと

A.

人生をせられる人を、

    自分の思で、

    決して悔しないよう

    慎重につけよう」®

 
Q. 任意後見が、先進国の常識って本当ですか?
A.
欧米では、国民の1%以上が任意後見契約を利用して、「もしものとき」に備えています。

A.
ドイツでは、将来の判断能力の低下の時期に備えて、本人が健康なうちに、
信頼できる第三者に財産管理に関する代理権を付与しておく、
「事前配慮代理制度」があり、国民の10%、およそ800万人が利用していると言われています。

A.
日本の任意後見利用率は、0,0004%と言われています。
 
Q. オーストラリアでは、50歳で老後対策をするって本当ですか?
A.
50歳を過ぎると、オーストラリア政府が、

① 遺言(死後の財産分配法を明示しておく)
② 代理人(判断能力を失ったときのために、財産管理を支援してもらう)
③ 後見人(生活の支援、ケアプランなどの援助、医療行為の決定など)
④ 事前指示書(リビング・ウィル、病院、介護施設への入所等に関する取決め)

を用意することを推奨しています。

これは、日本の超高齢化の現状を鑑みて実施されていると言われています。
 
Q. 還暦です。何か気をつけること、アドバイスください。
A.
ADL(日常生活動作)、食事・排泄・入浴・更衣・整容を見直して、
規則正しい生活を心掛けましょう。

A.
会話をするときに、「あれ、それ、彼、彼女」の代名詞表現をやめて、
具体的に表現しましょう。
特に、固有名詞は、正確に言うくせをつけましょう。
 
Q. 還暦です。すぐできる認知症予防法を教えてください。
A.
ウォーキング(競ってはいけません)
自分のペースを守りましょう。
レースをしているわけではありません。“お先にどうぞ”の精神で!

A.
料理(プラン・ドゥ・チェック満載)
何を作るかプランして、マーケットで品定めをしながら暗算して、
買い物をしたら、煮る・焼く・蒸すと手を加え、料理に合わせて食器を選び、
盛り付けて美味しくいただく。
頑張ってみましょう!

A.
カラオケ(上手・下手は、関係ありません)
好きな歌を声に出して歌ってみましょう。
デトックス効果もあると言われています。

A.
遊びマージャン(ただし、賭けマージャンは御法度です!)
将棋、囲碁、トランプやボードゲームも楽しみましょう。
要は、頭の体操をすることです。

 
Q. 還暦です。必ずやっておきたい! "ベスト3"を教えてください。
A.
任意後見
人は誰しも、加齢とともに判断能力が衰えるものです。
転ばぬ先の杖と考えて、判断能力があるうちに、「もしものとき」に備えておきましょう。

A.
遺言
財産は、現金だけではありません。
金融資産や不動産まで、お金になるものはすべて財産と考えて、
残される方のためにきちんと書き残しておきましょう。

A.
ライフプラン(現在・将来・生涯)
現在・将来・生涯の三つに分けて考えると、整理がしやすいと思います。
現在の状況を把握して、将来の「もしものとき」に備える危機管理を考え、
生涯を通して行うことができる生きがいを考えてみるというのは、
いかがでしょうか。
 
Q. 高齢者の仲間入りをしました。何かアドバイスをください。
A.
慢心しないこと
「自分だけはボケない」と思ってはいけません。
ほとんどの人がそう思いながら認知症になるからです。

A.
他人様を信頼する。そして、特に若者との信頼関係を大切にしましょう。
「他人様に迷惑をかけて生きるな」と言われますが、生きている限り無理です。
セルフケア(自助)をモットーにして、足りない部分は、
他人様に力(互助)を借りましょう。

A.
「人に好かれよう」「尊敬されたい」と思って生きてはいけません。
心にもないことを言われなければならなくなりますし、心が疲れて、
自分の立ち位置がわからなくなってしまうからです。

A.
お金は、無二の親友です。
お金は、最後の最後に頼れる親友です。
頭が健常なうちに将来を想定して、親友(お金)との物語をきちんと作っておきましょう。
天は、自ら助けるものを助けるのです。